「健康と病いの語り」教育的活用ウェブサイトには、当事者の語りのクリップを用いた講義・授業のスライド集、「健康と病いの語りデータベース」には公開されていないロングバージョンビデオ(一人の患者さんの体験談を20分程度にまとめたもの)や、トリガーフィルム(テーマごとに議論のきっかけとなるような語りを集めた15~30分程度の映像)など、さまざまな教育用資源が収められています。これらはディペックス・ジャパンの正会員(年会費6,000円)に限り、ご利用いただけます。
非会員の方でも、以下より会員用コンテンツの一部(サンプル)を無料でご覧いただくことができます。
ロングバージョンビデオの授業例
「健康と病いの語り」ウェブページで公開している語りのクリップは、最長4分(通常は1分半から3分程度)と短いものが中心です。これは一人一人の患者の闘病記として見せるより、大勢の患者の体験をテーマ別に横串でとらえ、なるべく多様な意見・考え方を紹介することに主眼を置く、「語りのデータベース」の特性からそうなっています。しかし、医療系の学生に患者さんの思いや体験の全体像、一人の人間としての病いと向き合う姿を理解してもらうためには、2~3分のクリップではあまりにも断片的に過ぎる、という指摘があり、それにこたえるために、20分前後で、患者さんの人物像がもっとはっきり見えてくるようなロングバージョンのビデオを作成しました。それがこちらに紹介する4本のビデオです。
20代で乳がんと診断された女性の語り(21分12秒)
乳がんインタビュー42
診断時:27歳
インタビュー時:33歳(2008年10月)
九州地方在住。2002年春、右乳がんで、右乳房切除術とリンパ節郭清、同時再建(エキスパンダー挿入)、術後化学療法を受けた。エキスパンダーは、術後アレルギー反応を起こして取り出すことになり、その後、再建はしていない。 当時、離島で授乳中の子どもと夫の3人暮らし。治療中は子どもと2人で九州の実家で過ごした。その後、夫も離島を離れ、現在は家族3人で暮らしている。
診断に時間がかかった前立腺がんの男性の語り(19分40秒)
前立腺がんインタビュー02
診断時:57歳
インタビュー時:60歳(2008年02月)
診断当時は、企業の管理職として多忙な日々を送っていた。妻との間に子どもが3人。首都圏在住。吐き気、足のしびれ、腰痛など、2年近く体調不良を訴えて複数の医療機関を受診したが診断がつかず、2005年にようやく前立腺がん(ステージIV)の診断を受けた。ホルモン療法にて体調が改善したが、2年余りで再びPSA数値が上昇しつつある。