よりよい臨床を考えるためのトリガーフィルム

「トリガー」とは「引き金」のことで、「トリガーフィルム」とは、議論や問題解決のきっかけや手掛かりになるような教育的映像のことを指します。ナレーションも起承転結もはっきりした結論もなく、視聴者の問題意識を喚起するような短い映像です。

英国ではExperience Based Co-Design(経験に基づく協働設計)と言って、医療の現場の改善運動にトリガーフィルムを使い、患者や家族、医師や看護師、病院スタッフなどが一緒にディスカッションをして、医療の質を向上をさせて行こうという試みが行われています。

そんなトリガーフィルムの作成に、「健康と病いの語り」データベースのモデルとなっている英国のHealthtalkの語りのデータが使われています。その一部をご紹介するとともに、「健康と病いの語り」のデータを用いて、日本で作成されたトリガーフィルムもご紹介します。

<英国Healthtalkのトリガーフィルム>

認知症の人の介護―公的支援制度の利用(日本語字幕付き)

長さ:34分2秒
このフィルムは、地元の人々、当事者、その家族、及びNHSのスタッフが協働して、どうやったら公共医療サービスの利用体験を改善できるかについて話し合うきっかけ作りのために、認知症の人を介護する31人の介護者のインタビューをもとに制作されました。インタビューは、オックスフォード大学のHealth Experience 研究グループによりイギリス全域で実施され、このフィルムには初期の兆候、診断と検査、薬と治療、公的支援を得ることなどについての語りが含まれています。

認知症の人の介護―介護者の経験(日本語字幕付き)

長さ:23分53秒
このフィルムは、地元の人々、当事者、その家族、及びNHSのスタッフが協働して、どうやったら公共医療サービスの利用体験を改善できるかについて話し合うきっかけ作りのために、認知症の人を介護する31人の介護者のインタビューをもとに制作されました。インタビューは、オックスフォード大学のHealth Experience 研究グループによりイギリス全域で実施され、このフィルムには介護者になること、公的支援を得ること、ケアをめぐる意思決定、介護者の心の葛藤などについての語りが含まれています。

集中治療の経験(日本語字幕付き)

長さ:35分58秒
このフィルムは、患者や家族、医療スタッフが立場の違いを超え、集中治療室のよりよいケアについての活発な議論を展開するきっかけとなるよう、集中治療室に入った経験を持つ人やその家族へのインタビューをもとに制作されました。「集中治療の経験」のインタビューは、オックスフォード大学のHealth Experience 研究グループによりイギリス全域で実施され、このフィルムにはICUでの目覚め、幻覚による混乱やスタッフの行動が患者に与える影響などについての語りが含まれています。

<ディペックス・ジャパンのトリガーフィルム>

臨床試験・治験は人体実験か?

長さ:16分3秒
このフィルムは臨床試験・治験に参加した人、参加できなかった人、参加を断った人など…臨床試験・治験について40名の異なる立場の方々へのインタビューからなる「臨床試験・治験の語り」データベースの中から、「モルモット」「マウス」「実験」「研究材料」といったキーワードを含む語りを抽出して制作されました。

より良い認知症ケアのために~患者・家族・スタッフによる協働設計プロジェクト

長さ:26分53秒
このフィルムは認知症ご本人12名、家族介護者35名へのインタビューからなる「認知症の語り」データベースの中から、「認知症ご本人の思い」と「病院や施設における認知症ケア」に関する語りを抽出して制作されました。